すると、私の頭を撫でる手を下ろし


私の前にしゃがみこむ


「初めて会った時もこんな感じだったな」


「あの時は…」

思い出すと、また恥ずかしくなる


「あの時から、ひなに惹かれてた」


「え?」


「俺らの事怖がってんのに、どうにかして話そうとしてただろ?どんなに弱くても立ち向かってるように見えて…あの時、蘭流の仲間にしたいと思った」


「そんな事思ってくれてたの?」

普段あまり自分の話をしない琉生くんの言葉に驚き、とても嬉しい気持ちになる


「ん。俺は、誰かの為に一生懸命な所とか、変わろうと頑張ってるひなが好きだよ」


「うん、ありがとう」


「付き合って欲しいと思ってる」

真っ直ぐ私の目を見て言う琉生くん


琉生くんがしゃがみこむんでいるから、下を向いても目が合ってしまう


何も言葉を返せないまま、私の顔には熱が溜まっていく


「ははっ、大丈夫。返事は今度でいいから」

そう言って、私の頭をポンポンし、立ち上がる


「後、もうすぐ体育祭があるけど、困ったり、何かあった時は遠慮せずに頼ってな」

琉生くんの部屋なのに、私のために部屋を後にしてくれる


琉生くんが部屋に戻れるように、私もすぐに自分の部屋へと戻る