むり、とまんない。


「ん。じゃあ今度こそ、ここでまってて」
『あー……離れたくない。ずっと抱きしめてたい』


「あ、あの遥……?」

「んー……」
『まじで離したくない』


ソファーについたはいいものの。

遥はそのまま腰を下ろして、ぎゅっと私を抱き寄せた。


「ご、ごはん作らなきゃ……」

「わかってる」
『俺はずっとこうしてたいけど、胡桃は離れたい?まあ、離さないけど』


ううっ、肩にぐりぐりと頭を当てられてるせいで、頬に髪があたってくすぐったいし、

腰と背中にまわった腕には力がこもってて、びくともしない。

ぜったい心臓の音、バレてるよ……っ。


「あ、あの、はる、か……っ」

「ん。これだけ」

「っ、ん……っ」


ゆっくり体を離して、私を見つめたそのあとは。


「ふっ、こんなとこまで真っ赤」
『かわいすぎ』


首にキスを落とされてビクっとすると、遥はとびきり甘くほほえんでクスッと笑った。