むり、とまんない。



とまあ、なんとか家までやってきて。

やっとこのドキドキから解放される。

そう思って荷物をもらおうとしたら。


『中まで運ぶから』

『いいよっ、ずっと運んでもらったから、それくらい自分で……』

『いいから。
じゃあ、入るよ』

『あっ、ちょっ、遥!?』


そして私が止めるまもなく、なぜか冷蔵庫にぽんぽんと物を入れた遥は。


『じゃあ、きて』

『えっ?ど、どこに……』

『もちろん、うちだよ』

『はっ!?』


そして意味がわからず固まる私の手をとり、ぎゅっと握った遥。

『ちょっ、ちょっと遥、なにして……!』

『いいからいいから』


そして私の手を引き中に入ると。

『じゃあここ、座ってて』

『え?』

私たちの家にあるものよりも何倍も高そうなふっかふかの革のソファーに通されて。


『今日は桃華も杏も遅いって聞いたから、俺がごはんつくる。だから、一緒にたべよ』


『えっ……ええーーっ!?』