***
「胡桃は座ってて。
俺が作るから」
「あ、あの、私帰……」
「だめ。
帰さない」
「ちょっ、は、遥……っ」
ドアノブにふれた私の手に、じんわりとあたたかい手のひらが重ね合わされる。
「できるまでここにいて」
………なぜ、こんなことに。
あれからスーパーに行って、帰ってきたものの。
『はい、逃げない。それとうしろじゃなくて、隣な。俺と歩くときはぜったい隣』
『ええ……』
渋々……いや、めちゃくちゃ苦労して手は離れたけれど。
とにかく近い遥に、私はとっくにキャパオーバーで。
『に、荷物かして……!』
『だめ。
荷物持つくらいなら、俺の手つないどいて』
『な、なにそれ……遥、だめばっかり……!』
『っ……上目遣いは反則』
『それで怒ってるつもり?かわいいとしか思えないんだけど』(心の声)
……上目遣いしてるつもりはない。
平均的な私でも見上げるほど高いから、どうしてもそうなっちゃうの!
『胡桃はかわいいだけで、俺のそばにいてくれるだけでいい。
俺、胡桃かわいい症候群になってる?』(心の声)
なにバカなこと言ってるの遥……。
「胡桃は座ってて。
俺が作るから」
「あ、あの、私帰……」
「だめ。
帰さない」
「ちょっ、は、遥……っ」
ドアノブにふれた私の手に、じんわりとあたたかい手のひらが重ね合わされる。
「できるまでここにいて」
………なぜ、こんなことに。
あれからスーパーに行って、帰ってきたものの。
『はい、逃げない。それとうしろじゃなくて、隣な。俺と歩くときはぜったい隣』
『ええ……』
渋々……いや、めちゃくちゃ苦労して手は離れたけれど。
とにかく近い遥に、私はとっくにキャパオーバーで。
『に、荷物かして……!』
『だめ。
荷物持つくらいなら、俺の手つないどいて』
『な、なにそれ……遥、だめばっかり……!』
『っ……上目遣いは反則』
『それで怒ってるつもり?かわいいとしか思えないんだけど』(心の声)
……上目遣いしてるつもりはない。
平均的な私でも見上げるほど高いから、どうしてもそうなっちゃうの!
『胡桃はかわいいだけで、俺のそばにいてくれるだけでいい。
俺、胡桃かわいい症候群になってる?』(心の声)
なにバカなこと言ってるの遥……。



