むり、とまんない。



2人が来てくれてよかった……。

もし来なかったら、心の声にぜったい反応してただろうから。


それにしても……。


夢じゃなかった。

その事実は嬉しいけれど。


「っ、はぁ、はぁ……っ」


マンションからだいぶ離れたところで、肩にかかっているカバンの持ち手をぎゅっと握って息を整える。


遥、笑ってた……。

普段杏と歌ってるときも、学校でもめったに見ない、心から笑ってると言わんばかりの顔。


私のそっけない反応に目を細めて、声を上げて笑っていた遥。


最悪って言ってたのも、無理って言ってたのも。

今までのはぜんぶ、私の勘違いだった……?


いやでも、部屋にふたりきりは頭が……って言ってたのは本当。

でも……。


「かわいいかわいいって、言いすぎだよ、遥……」


本当にどうしちゃったの?ってくらい。

別人かと思うくらい。


桃華と比べられて、言われ慣れてないせいで、普通でいるのでせいいっぱいだった。

遥と普通に話している状況ってだけでも、動揺しまくりだったのに。

あんなに何度も言われたら、はずかしすぎて普通でいろってほうがむりだよ……。


「もう、ほんとどうしよう……」