「熱、下がったんならいいけど」
『普段つっけんどんな分、弱ってる姿はやばかった』
「ど、どうも……」
だから、やばいってなに……。
やばいなんて、さっきから心の声に反応しないように必死な私のほうがやばいんだけど……!?
さっきからずっとクールで飄々としてるくせに、心の声うるさすぎじゃない!?
言ってることと、心の声のギャップがすごいし。
今までのがぜんぶうそみたい。
「どうもって……くくくっ」
「……なに笑ってるの」
「べつに?」
『あー……ほんとむり。照れてんのかわいー。
すっげえかわいい』
「っ!!」
『俺、さっきからかわいいしか言ってない?けど、胡桃見てるとかわいいがとまんない』
「っ〜!!」
遥相手なのに。
心臓がバックンバックン鳴ってて、変に顔中がほてったみたいに熱い。
「あれ、遥?
まだいたの……って、胡桃?」
「おまたせふたりとも……って、胡桃?
もうとっくに行ったんじゃ……」
なんて1人であわあわしていたら。
遥がいたドアからひょこっと顔を出したのは杏で。
うしろから聞こえた声は桃華。
「っ、わ、私先に行くから!」
「はっ!?」
「あっ、胡桃!?」
「ちょっとちょっと遥ー?」
うしろで三者三様の言葉が聞こえたけれど、私は一目散に走り出す。



