むり、とまんない。


ん?

最悪。

そのあとに聞こえてきた言葉に引っかかる。


に、にやけ顔……?


『この間も今もそうだけど、隣に住んでて朝ばったり会うとかいつぶり?話さなくなってからはほとんどなかったから、めちゃくちゃ嬉しいんだけど』


ん?

んん??


『偶然とはいえ、同じタイミングでドア開くとか、にやける以外ないって。目合うのも久しぶりだし。あー……かわいすぎてちゃんと見れない』


え……。

確かに今まで目が合っても、すぐに逸らされてはいたけれども……。


えええーーーっ!?

そ、そういうことだったの!?

思わぬ展開に、なにも言うことができないのに。


『目合っただけなのに、死ぬほど喜んでんじゃん、俺。気抜いたらまじでニヤニヤしそう。胡桃かわいすぎ』


遥の心の声はとまることを知らない。


え、じゃ、じゃあ、今まで私と会ったとき、不機嫌そうにしていたのはぜんぶ……。


「っ!!」


それがわかったとたん、ぼぼぼっと一気に全身が熱くなる。


「え、なに驚いた顔してんの?
あー……幼なじみとはいえ、あんまし見たことない表情だから貴重だな。驚いた顔も超かわいい』


「………」

「………」


そう、これは全て遥の心の声である。

お互い一言も口を聞いてないし、言葉を発していない。


でも私の頭にはたくさんの「かわいい」が流れ込んでくる。