桃華っ!!
「あんま大きな声出すなよ。
胡桃が起きる」
「ハイハイ、っとに遥は胡桃のことばっかり……って、杏は?」
「雑誌の取材」
良かった……、桃華、帰ってきてくれて。
これ以上はもう、私の体がもたなかった。
熱以上に、はずかしさでいっぱいで。
「じゃ、俺帰るわ」
「っ……!」
さらりと流れるように。
オレンジの香りが全身を包んだと思ったら。
『またな』
ふわりと布団ごと抱きしめられたあとで、名残惜しいと言わんばかりの手が頬をなでていった。
「ちょっと遥!?」
桃華の驚く声が聞こえたけれど、遥はなにも言わず出ていったみたいで。
ドアの閉まる音だけが聞こえた。



