むり、とまんない。



またもや聞こえた「かわいい」と手つきに、ますます動揺がとまらない。


えっ?えっ?

これだれ?

ほんとに遥?

遥だよね?


いくら心の声とはいえ、こんなになんか……甘い声、聞いたことな……。


「『───胡桃』」


っ!!

またもや鳴ったベッドのスプリング。

そして、心の声と遥の声が重なって。


「杏ばっかじゃなくて、俺のこともいっぱい名前で呼んでよ」


『声が聞きたい。
胡桃に遥って呼んでほしい。胡桃の声、聞かせてほしい』


耳を脳を震わせるほど甘い声が一気に流れ込んでくる。


「『胡桃……』」


頬を上下していた手がはなれて、代わりに。


「早く元気になれよ」

『まじでかわいい。
すっげえかわいい、胡桃』


ふわっと羽が落ちたみたいに。

優しく、口づけられた。