「心配させんなよ、まじで」
髪にふれられたのは一瞬で。
落ちてきたのはその言葉。
なんだ。どうしたってことはない。
嫌いな相手を助けたことを遥は嘆いているんだ。
でもそれにしては……。
囁くように、低く掠れていた。
心底心配で、不安でたまらなかったと言われてるような声に、また変に心臓がドキッとしたとき。
『あー……弱ってる姿、やばいな』
これは……心の声だ。
にしても、やばいって、なにが……。
『加虐心煽られるっていうか、
とりあえず、かわいすぎんだけど』
「……かわいい?」
「は?」
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