むり、とまんない。



慌てたあーちゃんの声が聞こえたけど、そのまま教室を出て保健室に向かう。


「っ、頭、痛い……」


たぶん、昨日濡れた髪のまま寝ちゃったせいだ……。

しかも暑いからって半袖のまま。


ズキズキと痛む頭を押さえて、ゆっくりゆっくり階段を降りる。

体の奥底から、火が出てるみたいに熱い。


なんとか階段はクリアできたけど、廊下が傾いて見える。


あ、やばい。

全身から力が抜けて、リノリウムの床が目の前に迫った瞬間。


「────胡桃っ!!」


腰に何かが巻きついて、力強く引き寄せられた。