「常に無表情だし、クールだからなぁ〜。
もっと内心がうるさい人だったら、すーぐ気持ち丸わかりなのに」
「え?」
「まあ、胡桃が近づこうとしないんじゃ、しょうがないけど」
ん?なんの話?
「それってどういう……」
─────キーンコーンカーンコーン。
「あ、チャイム鳴っちゃった。
じゃ、またお昼に!」
言葉の意味を聞こうとしたら、ちょうど先生が教室に入ってきてすぐに授業が始まった。
「じゃあ、今日は教科書の20ページから……」
その声を聞きながら、さっきのあーちゃんの話を思い出す。
直接本人のそばに行く。
確かにそれは遥の本心を知る一番の方法だと思う。
でも、私が聞くのはいつも、無理とか最悪とか、拒絶の言葉ばかりだから。
「っ……」
頭にズキッと痛みが走った。
べつにどうだっていい。
嫌われてるならそれでいい。
そう思うのに。
心の声を聞く度に、頭痛がするくらい傷ついている自分がいる。



