むり、とまんない。



「で!なに!?
なにがあったの!?」


「ちょっ、あーちゃん近い!」


鼻息を荒くて、不知火くんについて語っているときみたいに目を輝かせてる。


なんで興奮してるの!?


「な、なんでもないってば!」

「ほんとに?」


「ほんとに!」


ジト〜っとあーちゃんが見つめてくる。

これらなんの拷問……?


「ふーん?
まあ、いいや。でも、進展あったらぜったい教えてよね!」


「進展って……べつになんもないよ」


嫌われてるし……。

まあ、昨日の遥の言葉はちょっと意味不明だったけど。


「せっかく心の声が聞こえるんだから、直接本人のそばに行って確かめてみればいいのに」


それはまあ……そう、なんだけど。

私の力についてはあーちゃんも知ってる。


『ベッドに乗るなとか、胡桃と部屋でふたりはむりとか、本人が言ってたの?』


『うん……そうだよ』


『それもう、完全に遥くん、胡桃のこと……』


『なんて?』


最初話したときはびっくりしていたけど、途中からなんだか遠い目をしていた気がする。