むり、とまんない。



『うん。
生きてきた中でいちばんってくらい』


『っ!!』


ふわっと羽が落ちたみたいに。
あまりに優しく笑いかけてきたから、さすがに私もはずかしくなって。


『そ、それならよかったけど!』


なんて変に心臓がバクバクしていたのを覚えてる。


『胡桃』


『な、なに』


『ありがとう。
まじで一生大事にする』


『っ、せ、せっかくなんだから使ってよ!』


『むり。
なくなるのやだし』


『っ、あっそ。
好きにすれば!?』


『あれ。珍しく照れてる』

『なっ、て、照れてない!』


『うそつけ。
そんな顔、真っ赤にして』

『暑いだけだし!』

『こんなにクーラーガンガンなのに?』


『っ〜!!』