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「続いては今女子中高生に大人気のツインボーカルユニット、bondのおふたりです!」
その日の夜。
お風呂から上がってパッとテレビをつければ、音楽番組でちょうどbondが歌っているところだった。
『わかっ、た……』
『ん。ならいい』
『じゃ、じゃあ私は帰るから……!』
『あっ、おい……!?』
あのあとスーパーで。
まだ買い足らないものがあったけど、とにかく今は1人になりたいとダッシュで帰ってきた私。
「夜がふたりを包んで……」
低めだけれど甘さを含んだ遥の声と、心が安らぐような優しい杏の声がハモったバラード曲が流れる。
「はぁー……」
ポタポタと濡れた髪から落ちる雫もそのままに、ソファーに体育座りをして顔をうずめた。
なんで。どうして。
今まで話しかけてくることすらなかったのに。
ばったり出くわした朝だって、あんなに嫌そうにしてたのに。
「続いては今女子中高生に大人気のツインボーカルユニット、bondのおふたりです!」
その日の夜。
お風呂から上がってパッとテレビをつければ、音楽番組でちょうどbondが歌っているところだった。
『わかっ、た……』
『ん。ならいい』
『じゃ、じゃあ私は帰るから……!』
『あっ、おい……!?』
あのあとスーパーで。
まだ買い足らないものがあったけど、とにかく今は1人になりたいとダッシュで帰ってきた私。
「夜がふたりを包んで……」
低めだけれど甘さを含んだ遥の声と、心が安らぐような優しい杏の声がハモったバラード曲が流れる。
「はぁー……」
ポタポタと濡れた髪から落ちる雫もそのままに、ソファーに体育座りをして顔をうずめた。
なんで。どうして。
今まで話しかけてくることすらなかったのに。
ばったり出くわした朝だって、あんなに嫌そうにしてたのに。



