「元々ダンスは小さい頃から習ってて、歌も周りから評価されてる自信があった。中学のときに今の、crownのオーディションを受けて、合格して、芸能科があるここに入学した。そこで、遥と再会して……」


────橘を見つけた。



「私を……?」


「姉の方は芸能科にいるけど、橘は普通科だし、関わることなんてほとんどないと思ってた。けど合同クラスになるって知って、チャンスだと思った。でも……」


橘の隣にはもう、遥がいた。


「っ……」


「何度も話しかけようとした。何度も告白しようとした。でも遥は俺が橘を好きだったことは知ってるから。なかなか言えなかったし、話しかけれなかった」


「っ……」


「でもこの間、たまたま廊下で話したとき。橘、俺のことかっこいいって、また言ってくれて」


「甘利く……」


「好きだと思った。
やっぱり、あきらめられなかった」