「は、遥……っ!」
「甘利。
なにしてんの?」
グッと腰を引き寄せられて、体が密着する。
ここはテレビ局。
楽屋近くで静かとはいえ、crownのみんなが見てるから……っ!
「なにって、見ての通りだけど?」
「質問に答えろよ。
人の彼女になにしてんのかって聞いてんの」
「は、遥くん!?」
「みはやも!
ちょっとおちつけ!」
慌ててあーちゃんや、八朔くんが止めに入ろうとするけれど、遥と甘利くんの間には冷たい壁みたいなものがあるみたいで。
「橘。
今日の俺、橘に見てもらいたくて歌うから。目、離さないでね」
「っ、おまえ……」
ぶるりと体が震えるくらい、低い遥の声。
けれど、甘利くんはふっと笑うだけで。
甘利くん……?
さっきまでのやわらかい雰囲気は愚か、遥を睨みつけている気がして。
「行こ、ふたりとも」
「えっ」
「あっ、う、うん……」
それからぽかんとしていた不知火くんたちに声をかけて、甘利くんは楽屋に入っていった。



