「だめ。
まだまだ離さない」
もうっ、限界なのに……っ。
髪をかきあげて、尚も濡れた瞳で見下ろしてくる姿が色っぽすぎて。
「俺はまだまだたりない。
どれだけふれても胡桃がたりない」
「っ……」
「ほっぺた、あつ……」
ただ頬をなぞられただけなのに、敏感になった体はそれだけで震えて。
体中が酸素を求めて叫んでいる。
「ん、胡桃、体あっついし、一回水飲もうか」
背中に腕を回して抱き起こされて。
遥は近くにあったペットボトルに手を伸ばす。
え、なんで遥が飲むの?
そう思っていたのも束の間に。
「んっ!?
んんっ……」
口づけられたところから冷たい水が流れ込んでくる。
「っ、なんで……っ」
「だって胡桃、目とろんとしちゃって、ちゃんと飲めそうにないし」
耐えきれなくなって落ちた涙をつたって、目尻にキスを落とされる。
こんな、ずっとキスしてばっか。
頭も、体も、おかしくなる……っ。



