むり、とまんない。



「っ、電気、けして……っ」

「やだ。はやく」


「けしたら、言うから、」

「顔見えない」


「おねがい……っ」


「……」


はずかしいから、なるべく顔は見られたくない。

そう思って消してもらったけれど、窓から差し込む月の光で、遥の目が一段と鋭く光った気がして。


男の人なんだって、感じさせられて。


「っ、私、は……」


もう無意識に、口が勝手にひらくの。


「私は?」


「はるか……、」

「俺の?」


「だいすき、な、遥の……で、す」


「っ……胡桃、」

「んんっ……はっ、」


とたんに。


「胡桃……っ」


噛みつかれるように、深く唇が重なる。


「ん、ちゃんとできたね」

『かわいい、かわいい。
もっと……』


『胡桃がほしい』


口をあけて、遥の首に手をまわす。

はずかしさでいっぱいだったけれど、あまりに遥が大人っぽくて置いていかれそうで。


私だって。

遥にふれたい。


そう伝えたくて、グッと身を寄せる。