むり、とまんない。



不覚にも弾んだ声にきゅんとする。


ほんと、遥の言葉一つ一つで素直になる私も、相当遥に甘い。


「今度は正面からしよ」

「正面から……」


「うん。
胡桃から、きて?」


「っ……」


「はずかしがってんのに、そうやって急に素直になるとこ、ほんとすき。かわいい」


っ、もう、やめて……っ。

りんごになってる自信しかない顔を隠したくて、必死に顔をうずめる。


あ、ほんとだ。

遥の心音、安心する……。


「安心してるところわるいけど、もう少し危機感持ってくれる?」


「き、危機感?」


「そう。
こっちは今にもキスしたくてたまんねーの」


「っ、はぁ!?
なに言ってるの!?」


「ん?
今はハグだけにしとこって話。このまま髪乾かさないままキスしたら、ぜったいとまんないし」


「っ、へ、変態……!」


「変態で結構。
男なんて、好きな子の前じゃみんなそんなもんだよ」


なんて開き直った遥に、この後のことで頭がいっぱいになる。


真面目な話、私今日、命日になっちゃうんじゃ……?