「おいで」
「っ……」
それから部屋について早々、荷物をおいた遥は敷かれた布団の上に腰かけると両手を広げる。
「ぎゅうって、しよ」
首をコテンと曲げて、甘い声に誘われる。
ほんと、色気ありすぎて見てられない。
「か、髪、乾かしてないから……」
「ならぎゅーしたあとで、俺が乾かしてあげる」
「い、いいっ……!
自分でやる、から……」
というか、ハグはしないとだめなの!?
「やだ。
俺にやらせて?」
「っ……」
「胡桃」
そんな甘えたような声で呼ばれて、見られたら。
「よしよし、いいこ。
うしろ向いて、背中、預けて?」
「……」
素直に従うしかないじゃないか!!
「はぁ……すき。
胡桃の体温、めちゃくちゃ安心する」
まだ髪は濡れてるのに、私の肩に顔をうずめる。
っ、心臓が、壊れる!!
「ま、まだ?」
「んー、まだ。
両思いになった実感、確かめてんの」
「っ……」



