むり、とまんない。



「っ〜、もうさっきも言った……!」


「だめー。
ちゃんと言って。
胡桃の言葉で、声で、ちゃんと聞きたい」


「ううっ……、」


そっと唇をなぞられて、全身が一気に熱くなる。


さっきまで泣きそうな顔してたのに。

すぐいじわるスイッチが入って、口角が上がる。


けど、そんなところも私は……。


「そこで照れんの?
さっきはあんなに熱烈なハグしてくれたのに?」

『なんならもう一回してほしいのに』


「っ、し、しない!」


「残念。
俺はいつでも大歓迎」


クスクス笑って、頬をなでてくれる遥。

さっきも、ドラマの現場でも言ったのに、これから初めて告白するみたいで緊張する。


改めて目を見て、言葉にするって、こんなに心臓が痛くなって、ドキドキするんだ。


「すきだよ、胡桃。
生きてきた中で一番すき」


「っ、私、も……っ。
すき、遥……っ」


「っ〜、胡桃……っ!」


「うわっ、ちょっ!?
遥!?」


「っ、もう、ほんと。
幸せすぎてバカになる」


「っ、ばか……」


「あ、また言った。
ほんっと、かわいーのな」


おでこがコツンとぶつかって、目を見てお互い笑い合う。


「長年の夢、やっと叶った」

「夢?」


「胡桃に好きって言ってもらう夢」
『15年越しの』


それからとびきり幸せと言わんばかりに目を細めて笑って。


「すきだよ、胡桃。
ずっと俺といて」


最大級の愛を囁いて、私に甘い甘いキスを落とした。