部屋に押し込められたとたん。

壁に肩を押しつけられて、唇に何度も何度も熱が落ちてくる。


「んっ、はる……っ」

「っ、は……」


遥の息が珍しく荒い気がする。

いつもいつも余裕がないのは私のほうなのに、今は私以上に、余裕がなさそうで。


「胡桃、くるみ……っ」
『……』


心の声が聞こえないせいか、ダイレクトに耳から伝わる遥の声。


「っ、は……っ」


まるで遥の体温をそのままぶつけられてるみたいに全身が熱い。


交わる息も、指が絡まって握られた手も。

ぜんぶが熱くて、とけそうで。


めまいがして、全身から力が抜けて立ってられない。


「っ、はる、か……っ」

「っ、ごめん」


ぶつけられる熱量に先に限界がきたのは、体のほう。


「ごめん、とまんなかった」


足がガクガクしてしゃがみこみそうになった瞬間。

後頭部と、腰に力強く回った腕に抱き寄せられた。


「……夢かと思った」

「ゆ、め……?」


ぎゅうっと抱きしめる力は強いけれど、そっと私の背をなでる手はとっても優しくて。


それにまた胸がきゅんとなって、次第に息が落ちついていく。