むり、とまんない。



「胡桃は俺の」


遥ーーー!!


めちゃくちゃ嬉しいけど、清見さんの前なんだから、少しは自重してよ、はずかしい……。


「はいはい、分かったわかった。
おまえの胡桃ラブは分かったから、そんな怖い顔すんなって」


「……」
『また胡桃って言ったし』



ブーブー。


「あ、わるい、電話だわ」


「は、遥……っ」


それから話し始めた清見さんをスルーして、どこか焦るように遥は私の腰に手を回す。


「いこう、胡桃。
はやくふたりになりたい」
『いいかげん、胡桃不足で死ぬ』


「っ……」


「昼休み終わるまで、ずっとキスしてぎゅーしてような」


「っ、なっ、なななっ!?」


ずっと!?


『あー、かわいい。
かわいすぎ』


「この後オフとか最高。
夜もずっと胡桃といられる」


「あー……そのこと、なんだけどさ」


慌てて追いかけてきた清見さんが、なぜか珍しく引きつった顔をしている。


「どうかされたんですか?」


「あーそれがね……ふたりとも、今から来てくれる?」


「あ?どこに。
つか、ふたりってなんだよ」


っ、怖い怖い!!


目はつり上がってるし、声もいつもより何倍も低くて。

さすがの清見さんも「いやー」と苦笑い。


「まあ、半ば強制なんだけど、車乗ってくれる?」


「だから、どこに行くか言えっつってんだよ」


「ちょっ、遥!
落ちついて!」


「無理。
胡桃との時間奪うとか、さすがの清見でも許さない」


「ドラマ現場」


「は?」

「えっ?」


「杏たちが撮影してるドラマの現場。
ふたりに出てほしいって監督直々にオファーがきた」