むり、とまんない。



清見千歳(きよみ ちとせ)さん。


遥と杏をスカウトしたマネージャーさんで、私も何度か会ったことがある。


パーマがかかったダークブラウンの髪。

ブルーのカッターシャツに、紺のネクタイ。


骨ばった腕には筋が見えていて、鍛えているのがすぐにわかる。


たしか、趣味はジムに通うことって言ってたっけ。


「胡桃ちゃんがかわいいのはわかるけど、俺の前でイチャイチャすんのはやめてくんない?」


「その呼び方やめろって、いつになったらわかんの、清見」


「ちょっ、ちょっと、遥!?
お久しぶりです、清見さん。ご無沙汰してます」


「こんにちは〜、胡桃ちゃん。
しばらく見ないうちにまたかわいくなった?
こんな無愛想野郎より、俺の方にしときな?」


「え、えーと……」


「断る」
『下の名前呼びやめろ。つか、かわいいとか言ってんな、くそ清見』


「うわっ、」


ぎゅっと私の肩を抱いて、清見さんをにらむ遥。