むり、とまんない。


「っ、はぁっ、はぁ……っ」


っ、あれ?

まだきてない?


それから慌てて裏門へとやってきた私は、走って乱れた息を整えていた。


もうすぐって言ってたし、てっきりもう着いてるかと思ってたのに。


「暑……」



季節はもう初夏。


青空の下、生ぬるい風が汗のにじむ首をなでていく。


でも、やっぱりここは涼しいなぁ……。


さわさわと揺れる木々の音にいやされる。


それから日陰になってる裏門によりかかって目を閉じていたら、車の近づいてくる音がした。


「胡桃っ!?」


ガチャっとドアの開く音のあとで聞こえた驚いた声。


「遥!」


遥は目を見開くと、光の速さで私に駆け寄ってきた。


「暑かっただろ?
な、なんでここに……」
『もしかして、俺のこと、待っててくれたとか?』


「うん、そうだよ。
おかえり、遥」


「っ!!」



いつも素直になれないし、はずかしくて、すぐに離れてとか言っちゃうから。


たまには勇気を出して、少しでも素直になって遥と向き合って、遥に応えられたらって。


「っ、胡桃……っ」


「っ、ん、は、遥……?」


「ごめん。
嬉しかったのと、胡桃が好きって気持ちがとまんなくて」


みるみるうちに顔をほころばせた遥は、ふれるだけのキスを落としたあと、ぎゅうっと私を抱きしめた。

『胡桃……すき。
めちゃくちゃすき。ホントすき』


「ここ外!外だから!」


喜びで弾む声ととけそうなほど甘い顔に胸がきゅーんとなったけれど、慌てて我に返る。