むり、とまんない。



「っ、なっ、はっ!?」


言質って、だましたの!?

あんなに悲しそうだったのに、今はただただ嬉しそうに笑うだけ。


「俺も。
夜にいっぱいイチャイチャしたい」


『胡桃が理性とばすくらい、とろとろになるまでキスして抱きしめて、なんなら……』


うわあぁぁぁーーーーー!!


「ちょっ、ちょっと待って遥っ!!」

「なに?」


「なに?じゃないっ!」


私が目の前にいるっていうのに、なに考えてるの!?

慌ててその口を押さえれば、遥はキョトンとしたまま、首をかしげるだけで。


ま、まさか……理性とばす云々は、わざと私に言ったんじゃなくて、無意識に遥が思ったってこと!?


「だって、ほんとのことだし」

「っ〜!!」


いつもならここでニヤってしたり、いじわるな顔をしてるのに。


め、めっちゃ笑顔……。


窓から差し込む太陽の光に負けないくらい、まぶしい笑顔を浮かべる遥に、どうしても口が引きつってしまう。


「胡桃」


「っ、な、なに?」


「今日は仕事、午前で終わるから、昼はいっしょに食べよ」


「あっ、う、うん……」


お昼、いっしょに食べるんだ……。

高校に入って、ふたりでお昼とかはなかったから、変に緊張する……。


「……」


「どうした?」


「べ、べつに……」


さっきまでの笑顔はどこへやら。

心の声も聞こえないし、ただ優しくほほえむだけ。

さっきのは幻覚?幻聴?ってくらい。