むり、とまんない。

***


「やっぱ、めちゃくちゃうまかった……」

「そ、それはどうも……」


それからなんとか無事に完成してできたメニューは、カレーと付け合せのサラダ。


材料切って煮込むだけだし楽だからって理由選んだけど、

遥みたいにオシャレなものを作ればよかったなってちょっと後悔。


「久しぶりにこんなに食べた。
こんなにおいしいのが食べられるって思ったら、俺それだけで仕事がんばれる」


「お、大げさだよ……」


「ほんとだよ。
だって、俺への愛、いっぱいこもってるもんな」


出た、遥のいじわるスイッチ。

たぶん今も、私が照れるってわかって言ったにちがいない、けど……。


「………」


「否定しねーの?」


うん。

だって、ほんとう、だから……。


敢えてなにも言わず、熱くなる顔も隠さないまま、まっすぐ遥を見つめる。


「俺、まじで浮かれちゃうけど、いいの?」


「うん……」


とたんに。

パアッと華が咲いたみたいに頬を緩ませた遥は。


「っ、胡桃……っ」


うっ、かわいい……。


ガタッと勢いよく席を立ったと思うと、私の両手をとって、立たせて。


「『はー……すっげぇうれしい』」


ぎゅうっと抱きしめられて、その声がすごく弾んでて、私もはずかしい以上に胸がキュンとした。


何度もおいしい、うまいって言って、おかわりまでしてくれた遥。


久しぶりに食べてもらったから、少し緊張してたし、不安で。

だからこんなに喜んでもらえるとは思わなくてびっくりして、たまには素直になってみようって決めたの。


「こ、今度、からあげ作るね」