むり、とまんない。



なんか遥って、たまにかわいいとこあるよね……?


胸がキュンとして、つい耳へと手を伸ばせば。


「っ、もっとさわって」


一瞬びくりとしたのに、予想外のことを言われて固まってしまう。


さっき教室で、女の子に触られそうになったときは、あんなにいやがってたのに。


「胡桃は特別。
というか、もっと俺のことほしがってよ」
『なんなら胡桃から抱きついて、キスしてくんないかな』


はっ!?

なんてバッチリ心の声まで聞いちゃった私は。


「っ、は、遥のばか!
どれだけキスしたいの!」


はずかしさと、照れくささと。

それ以上の嬉しさに、思わず声を荒らげてしまう。


「したい。
胡桃となら、四六時中ずっとしてられる」


次は俺の首に手、まわしてほしいな。

さっきまで照れてたはずなのに、ニヤリと笑ってまたいじわるスイッチが入っちゃった遥。


四六時中なんて唇腫れちゃう……じゃなくてっ!


もう無理!!


そう思って今度こそ本気で降りようとすれば、遥はクスクス笑いながらやっと手を離してくれた。


「じゃ、じゃあ、私ごはん作るから!!
遥はその間に荷物、整理してきて!」


今日からうちに住むからって、朝に一度荷物置きにきてたけれど、まだなにもしてないみたいだし。


「はいはい」
『まー、照れちゃって。
ホントにかわいい』


またうしろで声が聞こえたけれど、今度こそ無視してキッチンへと向かう。


あの子にはめちゃくちゃいやがってたのに、私は特別、なんて。

キスも……。


思い出したら沸騰しそうなほど体が熱くなりそうで。


っ、今度は流されないようにしなきゃ。


そう、強く心に誓った。