「なんでこっち見てくんねーの」
「……」
「胡桃」
っ……。
トンっと肩に頭がのって、甘えたようにぐりぐりされる。
ずるい……。
今度は声だけ。
いつも心の声といっしょだから、声だけで囁かれると、ダイレクトに耳から全身にそれが伝わるから。
「それっ、や……っ」
ただ耳元で名前をよばれただけなのに、体が震えてしまう。
「耳、よわい?」
『へえ。まずは弱点一つ』
「っ、よ、よわくな……っ、ひゃっ…ぁ」
今度は耳になにかが這う感覚。
ビクリと腰が跳ねて、うしろへ下がろうとしても。
後頭部と腰にまわった手に、力がこもるばかり。
「もっともっと、胡桃の弱点教えて?」
『んで、もっとその声聞かせて』
「っ、なっ、弱点なんかっ、ない……っ」
ぐぐっと肩を押しても。
ふっと笑った唇が耳に押しつけられて、とろけるほど甘い声が私を狂わせる。
「うそばっか。
じゃあ、これは?」



