むり、とまんない。

***


「胡桃。こっちむいて」

「むり」

「なぁ、おねがい。
頼むから」


「っ、無理って言ってるでしょ……っ!?」


あれから家に帰ってきた私たちは。


「『胡桃……』」


「っ、だから!
耳はやめて……!!」


帰ってきて早々。


『遥、この抱え方好きなの!?』

『これならぜったい逃げないだろ?』


お姫さまだっこでソファーへと連れていかれた私は、


「お、おりる……」

「だめ。
もっとくっついて」


こ、この体勢はほんとにむりっ……!!


遥の足に跨る体勢で座っていて、正面から抱きしめられていた。