「ねえ、杏。
あたしたち今、なに見せられてんの?」
「たぶん、心とココロで会話してる。
いや〜、甘酸っぱいねぇ」
「オッサンかよ」
『まじで。
すっげえ嬉しい。胡桃、好きだよ』
っ、またっ!!
『大好き』
『もう、どれだけ言ってもいいんだもんな」
握られた手に力が入って、親指がまた甲をなでる。
っ、だからそれ、やめてってば……!
あまりのくすぐったさに身をよじれば、横からクスッと笑う声が聞こえた。
『やっぱ、くすぐったいの弱いんだ?
あー……今すぐ押し倒してめちゃくちゃキスしたい』
!?
なっ、なに言ってるの!?
バッと横を見れば変わらず涼し気な表情のままなのに、その瞳はとても熱くて見てられない。
「はいはい。ごちそうさま。
遥、言いたいことはちゃんと口で言わなきゃ伝わんないよ」
「いいんだよ、俺たちはこれで。
それにほら、胡桃見てみ?」
「うっわ!」
「胡桃、大丈夫!?」
もう、遥……っ!!
はずかしさやら、少し嬉しいようなそんな気持ちで遥を睨みつけたのに。
ふっと笑ったその目は、いつだって愛おしいと叫んで私を見ているから。
「胡桃……顔、冷やす?」
「遠慮しときます……」
また胸がドキドキと音を立てて。
また一つ、遥への好きを自覚する。



