むり、とまんない。


胡桃は昔から、周りの男の高嶺の花だった。


明るい桃華に比べて、あまり自分からは話さない胡桃。


本人は性格も容姿も、ぜんぶが桃華と比べられてコンプレックスだと思ってるけど、

いくら二卵生とはいえ、桃華とは姉妹。


かわいくないはずがない。


むしろ、そこらのモデルや女優なんかと比べ物にならないくらい、めちゃくちゃかわいい。


今どき珍しい黒髪ロングに、長いまつげ、凛とした雰囲気。

それに大人しいって性格がプラスされて、高嶺の花。


「あ、あの、遥……」


今も、ほら。
きっと無自覚。


顔を真っ赤にさせて、目を伏せて。

震える手で、ぎゅっと俺のシャツを握るその姿。


っ……、かわいい。

すっげえかわいい。


さっきのキスじゃ、ぜんぜん足りない。

胡桃が足りない。


きっといくらキスして抱きしめて、ふれて、好きだと囁いても、一生満たされることのない、底沼な感情。


胡桃のぜんぶがほしくてたまらない。


「ぜ、ぜんぶって……」


ああ、そっか。

俺の心の声、聞こえるんだもんな。


「胡桃にふれたすぎて、頭おかしくなりそうなんだよ、俺」


「っ……」