むり、とまんない。


「『胡桃……』」


ドキッ……。


「もう何度も伝えてるからわかったと思うけど、俺はずっと、胡桃が好き。めちゃくちゃ好き」

「うん……」


もう、十分なくらいわかったよ、遥の気持ち。


絡められた指を握り返せば、遥はますますとろんと目尻を下げた。


「俺とつきあってほしい」

「っ……」


「俺の彼女になってほしい。
だめ……?」


っ、そんな目で見ないで……っ。

熱を秘めたみたいな、濡れて揺らぐ瞳から逃げたくてうしろに下がろうとすれば。


「だめ。逃げない」

『俺に応えて』

「っ!!」


片手が腰にまわって、グッと引き寄せられて。


「は、はる……っ」


コツンとまた、おでこがぶつかる。


「胡桃は俺のこと、きらい?」


「っ、きらいじゃない……!」


「よかった……」
『まずは一安心』


きらいなわけない。

嫌いになんてなれっこない。

でも……。

「まだ、気持ちが遥のところまで追いついてなくて……っ、」


遥はもうずっと。

ずっと私のことを見てくれて、好きでいてくれた。


私だって、遥と離れたくないって泣いたし、嫌われたくないって思うくらいには遥のことは好きだと思う。


「でも、自信が、ない……から、」

「自信?」

「遥の隣にいる自信……」


桃華や杏、あーちゃんからも言われた、私の抱えるコンプレックス。