「やっと目、見てくれた」
『はぁ……超かわいい』
うれしくてしょうがない。
より一層目尻を下げて、そんなとけた目をするから。
「は、はるか……っ」
「うん?」
「遥は、ほんとに、遥なの……?」
はずかしさとぶつけられる熱量に耐えきれなくて。
思わず出たのはその言葉。
だってあまりにやわらかく笑うから。
どんなキレイな芸能科の女の子や、たくさんの子に応援されたって、クールで冷淡なまま。
反応するどころか、鬱陶しいと言わんばかりに顔を歪める遥が。
「そうだよ。
目の前の女の子しか見えてない、独占したくてたまんないとしか思ってない、ただの男だよ」
「目の前の、女の子……」
「うん、胡桃のことな。
俺は胡桃しかいらない。どうしようもないくらい好きでしょうがなくて、ほんとどうしたらかわいい胡桃の姿、誰にも見られないか、まじで考えてる」
私しか見えてない。
私しかありえない。
私しか……。
「今もこの先も、俺は胡桃しか好きにならない。つーか、世界中で女の子として見てるのは胡桃だけ」
もうっ、どうしたらいいの……っ。
遥は遥なのに。
幼なじみとしてそばにいたときもふつうに笑って、話してたけど。
こんなに甘くて、砂糖にシロップをかけたみたいな目をするとか。
何度も好きだと、かわいいと伝えてくる姿とか。
ぜんぶが普段のクールな姿とは真逆すぎて、さっきまでの暗い気持ちなんか飛んでいっちゃうくらい、くらくらして。
何度も胸がキュンとあまく音をたてる。



