むり、とまんない。



「一度離れて、自分の中でどれだけ胡桃の存在が大きかったのかが改めてわかったよ。自分が自分じゃなくなるくらい、胡桃は俺にとって、好きでたまらない子なんだって」


「はる、か……っ」


「うん?」


名前をよぶたびに「ん?」ととびきり優しい声で聞いてくれる。

その優しさと遥の想いに、またポロポロと涙がとまらない。


「胡桃は、俺が心の声のことを知ったら、嫌いになるって思ったんだろ?」


「う、ん……」


だって、いくら幼なじみとはいえ、他人に自分の内心を盗み聞きされるなんて、いやにきまってるって……。


「そんなこと、死んでもありえないのにな」

「え……」


一度うつむいて自嘲気味に笑うと


私の頭をふわふわとなでながら、ゆっくりゆっくり顔をかたむけて。


「『すきだよ胡桃。
すげえ好き。大好き』」


脳内を震わせるような甘さを含んで、心の中と遥の声、両方で語りかけるように囁いた。