「中3の夏……ふたりで部屋にいたときに、遥、心の中で、ふ、ふたりは無理だって言って…っ、頭おかしくなるって……」
「うん」
「それで私、遥はずっと私を嫌いだと思って、離れて……」
「うん」
「でもそのあとで、遥が手もつけられないくらい、荒れたって聞いて……っ」
「知ってたんだ?」
「っ……」
声が震えて、それ以上なにも言えなくて。
ただうなずくしかできない。
「たしかに荒れてた。小さい頃からずっと好きでたまらなかった子が隣からいなくなって、声も聞かなくなって……」
そっと下まぶたをなでられて、思わず目を閉じる。
そしてもう一度。
目を開けた先に待っていたのは。
「───俺は、もう二度と胡桃から離れない」
「愛おしい」「好きだ」「離したくない」「ずっといっしょにいたい」
ぎゅうっと絡められた指先からも。
私を見つめる真剣なまなざしも。
遥から感じるすべてが、そう叫んでいて。
また涙が溢れてくる。



