「ちょっ、どうしたのその目!?」

「あは、なんでもないよー?」


次の日。

結局あのあと、遥が部屋にくることはなくて、泣き疲れた私はそのまま寝てしまった。


【胡桃ごめん!
結局泊まりになっちゃって、明日の夕方には帰る!ほんとごめん!】


朝起きてスマホを見ると、桃華からメッセージがきていてホッとした。


こんな顔見せたら、また心配させるに決まってる。

目は充血してるし、顔はむくんで腫れぼったい。


家を出る直前まで冷やして、なんとか目の腫れはおさまったけれど、マスクをつけて学校に来た。


「もしかして、心の声が原因?」

「……どうして?」


「んー、胡桃が自分を過小評価してるのって、その力のことと、あとは身近に芸能人が3人もいるからでしょ?」


「それは……」


桃華たちにも言われた。

自分に自信がないのを治す必要があるって。


でも、それが当たり前のようになってる私にとって、そんな簡単に自分を変えることなんかできない。


「泣いたんだ?」

「……」

「まあ、答えなくてもわかるけど」


あーちゃんは私の力について知ってる。

遥と杏と話さなくなったことに一番驚いていたのは、小学校からいっしょのあーちゃんだったから。