季節はいつのまにか、




「あれ、レイとそんな話したことあったっけ?」


 そう聞くと、レイは視線を外しながら、テレくさそうに口を開いた。


「……あー、うん。子どもの頃さ、アヤちゃん家とウチとで一緒に動物園に行ったでしょ? その時、ヤギの赤ちゃんを見てめっちゃ嬉しそうだったからさ」

「……そんな昔のこと、覚えてんの?」

「いや、覚えたっていうかさ……この前ま、ヤギの赤ちゃんが生まれたってニュースでやってたって興奮した感じで話してたから、思い出したというか……」

「え、もしかしてヤギの赤ちゃん見せるために誘ってくれたの? 動物園」

「んー……見たいかなと思って。」

「そっか、ありがとうレイ」



 なんだこれ、めっちゃうれしい。ちょっと、というかけっこうドキドキしてる。まさかレイに、こんな気持ちにさせられるとは思わなかった。