……って、思ってたのに。


午後一時。

私はなぜか、駅にいた。


家にいて、頻繁に時間を気にして、そうしているうちに雨が降ってきてしまって。


延藤くんが午前中のうちに駅に来ていたとして、すでに二時間くらい経っていることになる。

雨だって降ったことだし、さすがに帰っただろうと、一応確認しようと、駅に様子を見に来てみた。


……なのに。

今、私の視線の先には、駅の柱にもたれかかって、暇そうにあくびをするひとりの男性。


いるし……。