私を赤く染めるのは



ピンポーン。

テーブルにお菓子やコップを並べているとタイミングよくインターホンが鳴る。

「いらっしゃい」


ドアを開けると朱莉と碧人くんが並んで立っていた。

「結月、久しぶり!お邪魔しまーす。下で碧人くんに会ったから下のドア開けてもらう手間が省けたわ」

「すごいタイミングだね」

「でも、いきなり課題は進んでるのかーって先生モード」

「先生モードってそりゃあ先生だからな。お邪魔します」



2人の掛け合いを聞きながらリビングへと向かう。


いつもどおり定位置でテレビを観ながらくつろぐ煌。


そんな煌に朱莉がかけた第一声は「あ、本当に一色煌いるじゃん」というあまりにも緊張感のないものだった。

普段、驚く顔を見せない煌もさすがに呆気にとられたようでポカンと口を開く。

「碧人くんは会ったことあるんだよね?」

「ああ」

「初めまして。結月の親友の朱莉です。一色さんのことは結月から電話で聞きました」

「初めまして」

煌の隣に並んでも全く引けを取らない朱莉。

クラスの男子とは比べ物にならないほど、朱莉と煌のツーショットはお似合いだった。