「えっ」
い……今、寂しかったって言った!?
「なんてな。ほら、これやるよ」
煌はそう言うと大きな封筒を私の頭にポンッと乗せた。
なんだ、またいつもの冗談か。
それを両手で受け取ると、そこにはBijou会報vol.5の文字が。
「会報届いてたの!?」
そういえば1週間近く前に発送のお知らせメールが届いていた。
Bijouの会報はファンクラブ(その名もMon Bijou。意:私の宝石)に入っていると年に2回送られてくる雑誌のようなもので、時にはオリジナルグッズやカードなどが付いてくる。
ファンにとっては堪らない会員特典の一つだ。
まさかBijou本人から会報を受け取る日が来るなんて……まるで夢のようだ。
私はロケで疲れ果てた2人を横目に見ながら、小走りでリビングへと向かった。
そして、煌が手を洗っている隙にソファーへと陣取り慎重に会報の封を開ける。
ホログラム加工がされたA4サイズの会報表紙にはBijou5人の姿が。
中には夏のデートをテーマにした写真や、春に発売したシングルのMV撮影の風景、個人活動の裏側などが掲載されていた。
「懐かしな。これ撮ったのいつだっけ。ま、実物の方がかっこいいだろ」
いつの間にか部屋着へと着替えていた煌は、当然のように私の隣へ腰を下ろした。
隣に煌がいると思うと何だか落ち着かない。
この間からなんか変だ私。
「俺のページもう読んだ?」
「ま、まだ」



