私を赤く染めるのは



「ん?」と余裕そうな笑みをこぼす煌に恐る恐る手を伸ばし、もう一度ゴクッと唾を飲む。

な、なんか変態っぽいな私。

「さ、触るからねっ」


MonMonで見たときとは違う生身のカラダに右手を伸ばす。

煌のカラダまであと10センチ、


           5センチ、


              3センチ、
 


                 あと1センチ、




その時だった。

ピッー、と玄関から聞こえた音。


「あ、紫月さん帰ってきた。残念、時間切れ」

お兄ちゃんの帰宅により呆気なく掴まれる右手。

私は何をしようとしていたのだろう。

阻止されたことによって、自分の行動に恥ずかしさが増す。

まるで何か悪いことでもして捕まったような……そんな変な後味の悪さが残った。



「結月にはまだ早かったな。ごめんごめん。髪乾かしてくるわ」

そう言うと煌は洗面所へと消えていく。



「ま、またからかわれた……!!」


「ただいまーってゆづどうした?顔真っ赤だそ」

「なんでもない!」

「……ゆづのやつ何で怒ってんだ?」







「反撃してくるとか予想外だろ。紫月さんが帰って来なかったらやばかったな」

リビングで一人顔を真っ赤にする私には洗面所にいる煌の声が届くはずもなく。

この日、悶々として眠れなかったのは言うまでもない。