私を赤く染めるのは



「さてと、夜食の準備でもしようかな」


夕食に作っておいた生姜焼きはさすがに重いだろうし、温かいそうめんがいいかな。

大根、白菜、人参と消化にいい野菜を切り、程よく食感が残るように煮る。

あとは別に茹でておいたそうめんを入れるだけ。


煌がお風呂から出てくるまでテレビでも観よう。そう思いチャンネルを手にした時だった。

「なー結月」

お風呂場の方から私を呼ぶ声が聞こえた。



「なぁーに?…って何してるの!?」

お風呂から出てきた煌は濡れた髪をタオルで拭きながら、もう片方の手にはスマホを持っている。


問題なのはポタポタと水滴が床に落ちること。


ではなく、煌の格好。


「は、裸でウロウロしないでよ」

煌は下は半パン、上には何も羽織っていない状態でリビングに現れた。


お兄ちゃんもよくやるけど、兄と煌とでは全くの別物。



「裸って……下は履いてんじゃん」


「じゃあ、上もちゃんと着てきてよ」

「んなこと言われても宿舎にいる時は真っ裸が当たり前だったし。ハチなんて真っ裸で寝てしょっちゅう風邪ひいてたから」


Bijouのそんな情報は知りたくない!


でも、推しのそのエピソードはかわいい。

「ああ、そっか。お前彼氏いたことないし男の裸なんて見たことないか」


バカにしたように煌が笑う。