私を赤く染めるのは


その日、煌が帰ってきたのは22時を過ぎた頃だった。


「俺は一旦事務所に戻るわ。日付が変わる前には帰って来られると思う」

お兄ちゃんはそう言うと、煌を残して再び出ていった。

マネージャーって大変な仕事だな。

最近は高校生メンバーが夏休みだからという理由で、グループ活動も活発になっているようだ。




「煌は今からどうするの?お風呂?それとも先にご飯食べる?」


「なんか新婚みたいな会話だな」


……確かに、って違うから。

「べ、別にそんな意味で聞いてないし!!」

私が全力で否定すると煌はフッと笑みをこぼした。

疲れているのか、さっきまで一言も喋らなかった煌の笑顔に不覚にもホッとしてしまう自分がいる。

「撮影どうだった?」そう聞きたいのは山々だったが、自分から煌の仕事に足を踏み入れるのは何だか違う気がして、何も言えなかった。



「俺、先に風呂にするわ」


「わかった。ご飯はどうする?」

「明日の朝は食べる暇なさそうだから食べとこうかな」


「じゃあ消化にいいものにしておくね」


ここまで献身的に世話を焼く必要はあるのかな?なんて思ったりもしたけれど、真剣に仕事に取り組む煌の姿をみて少しでも力になりたい。

今日、改めてそう思った。