翌朝、目が覚めると隣には煌の姿があった。

昨日は2人でソファーの前に座り1枚のブランケットに包まれながら色々な話をした。


「ファンサービスがすぎる」

煌の寝顔にそうつぶやくと「ファンサじゃねぇよ」と返事が返ってくる。

な、なんだ起きてたのか。

煌の寝顔に話しかける前には一度声をかけるべきだな。
なんて思いながら、「お、おはよう」と改めて煌に話しかけた。

「ん、」

「煌、今日仕事は?」

「さっき紫月さんから連絡きた。今から迎えに行くって」

どうやら着信にも気づかず眠っていたのは私の方だったみたい。

「じゃあ、準備しないと」

立ち上がろうとする私の腕を煌が引っ張る。

それにより体勢を崩した私は、煌の腕の中にすっぽりと収まった。

後ろから抱きしめられるような形になり、あの雷の日を思い出す。

2度目だからといって慣れるものじゃない。

きっと今も私の耳は真っ赤だろう。


「まだ大丈夫」

「でも、のんびりしてるとお兄ちゃん来ちゃうよ?」

私がそう言うと煌は「交際2日目なのにもう冷めてんな」と言いながら私の頬をつねった。

「ぷにぷにだな」なんて言いながら。