私を赤く染めるのは




「ゆづ。これ食べ終わったら次はどこ行く?」

「えっとねー、2階にあった雑貨屋さん見たいな。あとお兄ちゃんへのお土産!俺も行きたいって散々ごねてたから」

「そういや俺にも連絡きてたわ。じゃあ、最後に地下の食品コーナ行こうか」

「うん!」

そうだ、せっかく碧人くんが気晴らしに連れてきてくれたんだ。

もう煌のことを考えるのはやめよう。


パンケーキのお店を出た私達はその後、雑貨や服、食品コーナ等様々なお店を見てまわった。


「楽しかったね!」

帰る頃には両手に大量の荷物。

その中でも一番大きな袋には近所のスーパーには置いていない調味料やお菓子、それから碧人くんセレクトのお酒が入っている。

これを見たら、お兄ちゃんもきっと喜ぶだろう。



それらを持って1階のブランドコーナを抜けた先にある駐車場へと向かう。


その時だった、
『こっち向いて』という煌の声が耳に入り私は思わず足を止めた。


「えっ、」

その声は有名ブランド店の前に設置されていたモニターから聴こえたものだった。
モニターには声だけではなく、煌がそのブランドのものを身に着ける映像が繰り返し流れている。

そういえば、煌がここのCMに出演するってネットでみたな。



「ゆづ?」

「あ、ごめん。今行く」

私は何もなかった顔をして碧人くんの元へと駆け寄った。