私を赤く染めるのは




……あれから何時間経ったのだろう。

空だったゴミ箱には無数のティッシュの山が。

瞼は異様に重くて、喉は渇き水分を欲している。


でも、キッチンに水を取りに行く気持ちに
もなれなくて、気を紛らわすために近くにあったスマホを手に取った。


通知の中には1件のメール。



そこにはファンミーティングの当選を知らせる内容が記載されていた。

「ファンミ当たったんだ」


あの日、煌に申し込んでとお願いしたファンミーティング。本当にご利益あったんだね。


このメールがあと数時間早く届いていたら、またねってそう言えたのに。




私の初恋は、煌との同居終了と同時にあっけなく散ってしまった──。