もしかして、また熱が上がってきたのかな?

心配になり様子を見に行った私は、煌が起きないようそっとドアを開ける。

忍び足でベッドまで近づくと昨日とは違い穏やかな顔で眠る煌がいた。

なんだ、寝言か。

ひとまず、ほっと胸を撫で下ろす。

煌の寝顔を見ていると今まであった出来事が一つ一つ脳裏に浮かんだ。

そして、「好き」その二文字が口から自然とこぼれ落ちた。

……って、寝ている煌に向かって何を言ってるんだろう私。

自分の想いを口にしたせいか急激に恥ずかしくなってくる。

煌の様子も確認したし早く寝よう。

「おやすみ、煌」


来た時と同じように忍び足で部屋を出た私は、自分の部屋に戻って再び重いまぶたを閉じた。