きょうだいという忌々しい鎖のせいでなかなか想いを伝えられずに遠回りをした可哀想な僕たち。

好きで好きで心配でおかしくなりそうになって。

こっそり結衣のスマホに位置情報がわかるアプリを仕込んだり、結衣の部屋や私物に盗聴器を仕掛けたりした。

でも……これからは堂々と見守ることができるんだね。


……そういえば一週間前に結衣を見守っていたとき、あの微妙に顔のいいストーカーに偶然鉢合わせたことがあったんだ。

結衣の清い唇を奪うなんて……あのときは逃げ足が速くてできなかったけど、やっぱり殺しておけば良かったかもしれない。

結衣が一時的に閉じ込められたあの部屋も趣味が悪すぎた。

可愛くて尊い結衣の写真を壁や天井なんかに貼るなんてどうかしてる。


僕はきちんとしたフレームに入れて飾っておくのはもちろん、それ以外はいつでも眺められるようにアルバムにして専用の棚で保管してある。

そういえば、そろそろアルバムを入れる場所がなくなってきたから三台目の棚を買っておかないといけないな。